About Us

「アジア農村研究会」について

アジア農村研究会は、アジアのフィールドを軸にした「地域学」研究会です。

1992年、故・桜井由躬雄東京大学教授の指導のもと、ディシプリンを超えて地域を総合的に理解する学問(「地域学」)にむけた実践と訓練を同時に行う場として、活動を開始しました。

以来、東南アジアを中心とするアジア地域にて、毎年20人前後の調査団を組織しフィールドワークを行ってきました。

アジア農村研究会は、参加者それぞれが主体的に調査を準備し、他の参加者と積極的に議論を深めながら研究を行う参加型の舞台です。

私たちはアジア農村研究会を、「ア農会」と呼んでいます。

「ア農会」のコンセプト

自分のディシプリン(専門分野)にとらわれず、「地域」を総合的に理解する。
フィールドには、外から「研究課題」を持ち込まない。フィールドにある研究課題を、発見する。

「ア農会」臨地調査の方法論

  • 定着調査

    特定の村(町)に張り付き、村の全体像を把握しながら、そこに眠る研究課題とそれへの答えを探る。

  • 広域調査

    ある広域地域を車両で駆け巡り、地域に広がって存在する生態的な課題を探り、仮説を打ち立てる。

「市民研究プログラム」の構築に向けて

2016年のアジア農村研究会の実習および準備過程は、公益財団法人トヨタ財団による助成を受けた「アジアにおける関わりの多様化に対応した市民研究プログラムの構築」事業(2015年11月~2016年10月)の一環として実施しています。

所属や経歴に関わらず参加者を受け容れる点ではこれまで通りですが、①準備勉強会・セミナーでのディスカッションを通して参加者の問題意識の醸成・深化を図ること、②それにより現地調査において地域の課題を見出すための仮説構築力・分析力を高めること、即ちより高い質で「地域を研究する」ことを追求するとともに、準備・調査・総括の全ての過程で、参加者の多様なバックグラウンドや関心を架橋する議論を展開することを心がけて事業を行っています。

 

「ア農会」の実績

臨地調査

第1回(1993)タイ:東北タイ広域調査
第2回(1994)タイ:中部タイ・ナコンパトム県定着調査
第3回(1995)中国:上海・松江県洞鎮花橋村定着調査
第4回(1996)台湾:台湾・桃園県復興郷霞雲村定着調査(◇)
第5回(1997)インドネシア:スマトラ広域調査(◇)
第6回(1998)マレーシア:ペナン街区定着調査(◇)
第7回(1999)マレーシア:スランゴル州フルチュチュ村定着調査(第1回)
第8回(2000)日本:沖縄県浜比嘉島定着調査
第9回(2001)マレーシア:スランゴル州フルチュチュ村定着調査(第2回)(◇)
第10回(2002)タイ、マレーシア:南タイ・北マレーシア広域調査(◇)
第11回(2003)タイ:北タイ・トゥンヤオ村定着調査(◇)
第12回(2004)ベトナム:ハノイ街区定着調査
第13回(2005)ミャンマー(ビルマ):ミャンマー(ビルマ)広域調査
第14回(2006)韓国:忠清南道燕岐郡錦南面壷灘里定着調査
第15回(2007)タイ:バンコク・華人街調査
第16回(2008)ベトナム:ナムディン省ヴーバン県定着調査(◆)
第17回(2009)ベトナム:ビンズオン省ベンカット県定着調査(◆)
第18回(2010)マレーシア:クダ州パダンセラ定着調査
第19回(2011)インドネシア:西ジャワ州カラワン県定着調査
第20回(2012)タイ:ウボンラーチャターニー・ベトナム人コミュニティ定着調査(◆)
第21回(2013)カンボジア:カンボジア広域調査(◆)
第22回(2014)ベトナム:ティエンザン省チョガオ県定着調査(◆)
第23回(2016)インド:南インド広域調査(⭐︎)

◇ 三菱銀行国際財団による助成を受けたもの
◆ 公益財団法人三菱UFJ国際財団による助成を受けたもの
⭐︎ 公益財団法人トヨタ財団による助成を受けたもの

 

報告書

臨地調査の終了後、参加者の専門性や視点から調査地を分析した報告書を作成しています。

出版

2005年、アジア農村研究会編『学生のためのフィールドワーク入門』めこん。